南シナ海 2016 1 17

 南シナ海というと、
大型のタンカーが行き交う海上交通路だと言われていますが、
実は、大型の旅客機や貨物機が飛び交う航空路でもあります。
しかも、夜間の方が多く、航空路は過密かもしれません。

書名 荒鷲の血統
著者 夏見 正隆  徳間文庫

 従来型の戦闘機で、
最新鋭ステルス戦闘機F-22を撃墜できるのか。
 条件が揃えば、
従来型の戦闘機で互角に戦えるでしょう。
 F-22に関して、よく言われることは、
姿を隠したまま中距離ミサイルで、
敵を殲滅できるということです。
 しかしながら、このような状況は、
本当に本格的な戦争が始まった時だけです。
 現実には、偶発的な衝突が多く、
結果的に接近戦になる可能性があります。
 この小説では、
アメリカ軍の交戦規定は、
「任務中に未確認機をやむを得ず撃墜する場合は、
相手の国籍と機種、数を『必ず目視で確認し』、
平時においては、まず警告してから、従わないならば、
指揮官の判断で武器を使用せよ」であるとなっています。
 状況は、夜間で、月は出ていない。
夜間でも、南シナ海は、積乱雲が林立する。
 さらに、大型の旅客機が多数飛び交い、
航空路は過密になっていた。
 このような条件下では、
ステルス戦闘機F-22は、その長所を発揮できず、
従来型の戦闘機と「従来型の接近戦」を行う可能性があります。
 要するに、技術に頼りすぎてはいけないのです。
「戦闘機のパイロットは、日々、腕を磨け」ということでしょう。

書名 不死身のイーグル
著者 夏見 正隆  徳間文庫

 アメリカ空軍が、突然、日本の航空自衛隊に対して、
F15イーグルとF22ステルス戦闘機の「異機種間の模擬格闘戦訓練(DACT)」を
申し込んできたのは、意外だった。
 そもそも、F22ステルス戦闘機は、
遠距離から、姿を隠したまま、ミサイルを発射して、
敵を殲滅できるというコンセプトで開発されているので、
接近戦、つまり空中戦になるのは、想定されていないのではないか。
 もちろん、F22は、空中戦になっても、
推力偏向ノズルを使って、
まるでUFOのように特殊な動きができるので、
圧倒的に強いとされている。
 「我々は、技術力に頼りすぎた」と、
アメリカ空軍の大佐は言う。
 模擬訓練のDACTでは、意外な結果となった。
F15が4機、F22が2機という「4対2」という戦いではあったが、
F15が2機撃墜、F22も2機撃墜されるという結果になってしまった。
 空中戦において、F15のパイロットが、
あまりにも意外な戦法を使い、それがF22撃墜という結果を引き出した。
 航空自衛隊の幹部は、別の幹部に、こう言う。
「そもそも、F22が優れた戦闘機だとしても、
姿を隠したまま中距離ミサイルで、
敵を殲滅できるのは、本当に戦争になった場合だけです。
 しかし、これまで、
アメリカと中国の間で起こった軍事的な衝突を思い出してください。
 例外なく、すべて目視圏内というか、
すぐ近くに接近した状態で発生している。
 アメリカの偵察機EP3と中国の戦闘機は、
実際に衝突しています。
それが、有名な海南島不時着事件です」










































































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